

その由来を調べてみれば、今から400年ほど前、現代のような交通手段もなく冷凍冷蔵設備もない時代には、幾多の山谷を越えねば到達できない甲斐の国に、新鮮な海の幸を運ぶ事は容易ではありませんでした。当時、大海原を持つ隣国の駿河で採れる新鮮な魚介類のうち、甲州に運ばれる物はわずかであり、そのほとんどは塩漬や干物でしたので、甲州の人々は豪華なあわびなど到底口にする事はできませんでした。
そこで、何とかこのあわびを生の味を生かした方法で甲州の人々に食べさせたいと、私どもの6代目と産地・伊豆下流の網元の人々で加工研究の上、「煮貝」の製法を完成し、江戸末期の頃から甲府に入ったと伝えられています。
浜で採れたあわびを醤油樽に詰めて、馬の背に乗せて運んだところ、馬の背でゴットン、ゴットンと程よく揺られながら馬の体温で温められて、甲府に着く頃には醤油がよく染み、素材の味に旨味が加わり、程よい味加減になったところから甲州名物になったと言われています。

少しずつデザインを変えながら、代々引き継がれてきたみな与のパッケージデザイン。
海のない山梨県の名物にあわびの煮貝があるというので、TVや雑誌、さまざまなメディアの取材に取り上げていただきました。これからも老舗として、国産のあわびにこだわり、昔ながらの手作りの製法で伝統に沿った味作りを追求していきたいと思います。
平成20年に行われた山梨県主催の企画展「甲州食べ物紀行」の出展に際し、山梨県立博物館が当店で販売されている「国産あわびの煮貝」の調査を行いました。生の貝に比べてどのようなうまみ成分の変化が起きているのかを調べるため、「味の素 ライフサイエンス研究所」に依頼し、アミノ酸の成分分析を調査した結果が以下のグラフです。
煮貝では同じ重量あたりのアミノ酸が増加しているのがわかります。特に旨味の元であるグルタミン酸、アスパラギン酸が増加しており、醤油ベースのたれで煮込むことで、旨味が追加されるとともに、旨味の質も変化していることが明らかになりました。


